11月定例会 報告

スマートエイジングを目指した運動と栄養

開催日 令和元年1121日(木)

講 師 大阪経済大学人間科学部

        人間科学部 スポーツ健康コース

教授  高井 逸史 先生

 


 高井先生は長年理学療法士として病院で勤務されたのち、三年前より現在の大阪経済大学人間科学部人間科学部 スポーツ健康コースの教授に就任された。

平成292月から平成3012月まで“医療と介護などの専門職が住民らと協働し、健康と交流をテーマに元気が出る地域づくりをめざす”をコンセプトに一般社団法人ひとまちプロジェクトを立ち上げ、リハビリテーションの専門職、管理栄養士、看護士、薬剤師、介護支援専門員の方たちと活動された。

 

ここ60年の間に30歳以上平均寿命が延びている。

2007年生まれの人は約半数が107歳まで生きるというデータも出ているほど急速に社会の高齢化が進んでいる。このような状況で大切なことは寿命を全うするまでいかに健康でいられるかということである。

 

地域包括ケアシステムの一環で地域レストランと人との交流、趣味講座などを融合させた場を設け、主にフレイル傾向にある方々を集めインフォーマルサービスを体験してもらった。

これを10週間体験してもらい、終了してから数週間後介入前と後ではどのように生活が変わったか調査したところ 外出頻度が増えた、人との交流が増えた、世間話が増えたなど活動範囲が広がったという結果が得られた。そもそもフレイル傾向にある方たちは積極的にイベントに参加される方は少なく、近隣のサポーターの協力が必須であった。

 

また、別の調査では63歳から85歳までの男女83名を集めBMIと体脂肪率を計測してみた。

ここではBMIで見るより体脂肪率で見た方が肥満と判定される方が多く、ダンスや水泳・卓球など継続して運動している人は筋力を維持できていることが分かった。こういう数字も被験者本人に見せ栄養・運動が大切であることを伝えていくべきだと先生は仰った。

 

イギリスのデータではたばこやアルコールなどより孤独が我々の寿命を縮めると出ている。

社会とのつながりが寿命に最も大きな影響を与え、働いたりグループ活動に参加したりしている人の方が認知症の発生リスクが低いと言う。

 

先生のお話の中で再三言われていたのが、食べることが一番大事であるということ。地域における健康づくりで私たち栄養士が担う部分も少なくないだろう。

 

 

 

(文責  佐野 紀子)